大家さんへの入居者からのトラブルで多いことの一つが「排水管」に関係することだと思います。僕も何度も排水管関係のトラブルに対応してきましたが、ほぼ入居者側の不注意で排水管を詰まらせたことが原因でした。
最初に不動産屋が入居者に説明していれば良いですが、やはりそれは不動産会社によっても対応が違いますし、さらに言えば担当した不動産会社の営業の人によってもちゃんと注意事項を説明してくれるかどうかというこは違います。
不要なトラブルで大家さんの忙しい時間が取られないように、注意事項は自分でまとめて、入居時には必ず配布してもらうようにするのが一番の方法でしょう。排水管が詰まる原因もそんなに多くはないので、基本的なことを注意すれば大丈夫です。
1、大量の油を流さない
油を少量流すくらいならまあ大丈夫でしょうが、天ぷらなどの揚げ物に使う油をそのまま排水口から排水管に流すとつまりの原因になります。こういうことを言うと、
「え? 油って液体だから排水管を通って下水道に流れて行くから大丈夫じゃないの?」
と、本気で言う入居者も中にはいるので大家さんは注意してください。確かに、暖かい油はまあ柔らかい液体なのでなんとか流れるかもしれないですが、暖かい油はそれはそれで危険ですし、油は水で流す事は難しいし粘性の高い液体なので、絶対にそのまま流さないようにしましょう。
なぜ大量に油を流すと排水管のつまりの原因になるのかというと、大量の油が冷えてしまうと固まって排水管の内側に付着するからです。特に冬は油を流したあとに冷たい水を流すことで油が冷えやすくなり、固まりやすくなります。
排水管が詰まって水が流れないという苦情のあった家に行くと、だいたい排水口の内側に油が大量に付着していたりして、油をそのまま流していることが予想できます。差別かと言われるかもしれませんが、実際に排水口の内側に油が付着しているのが多かったのは外国人の住んでいた部屋でした。
日本人はなんとなく排水口にそのまま大量の油を流してはいけないということを知っていますが、外国人の方で知らなくて流してしまう人も中にはいます。そういった方のために事前にちゃんと教えてあげることが必要ですし、その方がお互いにトラブルが少なくて楽になります。
2、なるべく三角コーナーを通して排水する
カップラーメンを食べたあとにスープを残す人がいると思いますが、アレをそのまま排水口に捨てていませんか? 排水口にちゃんとゴミ受けがあれば良いのですが、無い場合は三角コーナーなどのフィルター的な役割のあるところにスープの残りを流しましょう。そうすることでカップラーメンの最後に残った小さな麺や具の残りがそのまま排水管に流れるのを防ぎます。
また、カレーを作って食べ終わったあとには鍋に水を張って中の汚れを落ちやすくするのですが、そのときの排水は同じように三角コーナーなどのフィルターを通して捨てると良いです。カレーって結構油が入っているのでそういったちょっとしたことにも注意すると排水管が詰まりにくくなります。
排水管ってそんなに太くないです。普通は分かっているのでそこまで大きなものをそのまま流す人はいませんが、中には野菜の切れ端などをそのまま流してしまう人がいました。
排水管ってまっすぐではなく、途中で何回か折れ曲がって家の外に流れていくようになっています。曲がり角はだいたい直角になっているので、大きなものを流すとそこで詰まってしまうのです。なるべくフィルターやゴミ受けなどを通して排水するようにしましょう。
3、定期的に掃除をする
注意していても料理には多少の油を使っているので、毎日毎日排水する事によって排水管に汚れが溜まって行きます。大量の油を流す事はなくても、少量の油がちょっとずつ溜まっていくことでだんだんと排水管にゴミがたまってしまい、最終的には排水管のつまりにつながります。
そうならないためにも、入居者の方にお願いして半年に一回くらいの割合でドラッグストアーなどで売っているパイプの汚れを落とすクリーナーで汚れをとってもらうと詰まりにくくなります。大家さんが訪問してやってあげても良いですが、面倒なので、大家さんの方で買ってあげて自分たちで掃除してもらうのも良いかと思います。
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4、もしも排水管が詰まってしまったら?
大家さんという仕事はクレーム対応との戦いでもあります。そのうちの大きな一つが今回の「排水管のつまり」です。これは避けられないことですし、必ずおこることですので事前に道具を準備しておきましょう。僕がよく使っている道具を紹介するので、参考にしてみてください。
・排水パイプクリーナー5m
三栄水栓
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硬いものにはこういった自分の力を伝えて汚れを剥がしたり、押し込んだりするものが効果があります。しかし、余裕があれば持って入れよいという程度で、そこまで重要では無い道具です。
・ピーピースルー
和協産業株式会社
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最初はふざけた名前だと思っていましたが、使ってみるとかなり頼りになる排水管のつまり直しの相棒でした。困ったらとにかくこれで流してしまうというのが必殺技というくらいよく使ってる道具です。大家さんなら必ず一つは持っていた方が良いかも。
・ラバーカップ
山崎産業
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こちらもつまり直しには必須アイテムの「ラバーカップ」です。よく「トイレのずっぽん」などと呼ばれたりしますが、正式名称は「ラバーカップ」といいます。こちらも大家さん業をするのであれば必ず一つは持っていないとダメなアイテムです。しかし、これはトイレで使うことが有名な道具なので、トイレで使ったものをキッチンで使うと怒られます。2つあると使い分けが出来て入居者にも安心してもらえますし、便利です。
・道具がなにも無いとき
とりあえずお湯を流しましょう。ただし、沸騰したお湯などを流すと逆に排水管を傷めることもあるので、水道から出るお湯か沸騰したお湯でもほんの少しずつ流してみると、油が柔らかくなって、油についているゴミも一緒に流れてくれるので、お湯を流すというのも一つの手です。
・まとめ
排水管のつまりのトラブルで、紹介した道具でつまりが解消されればまだ良いですが、いろんな道具を使ってもつまりが解消されず、高圧洗浄をするとなると高い費用負担になり、大家さんは苦しむことになります。さらに、高圧洗浄は排水管に負荷をかけるため、古い管でおこなうと水漏れの原因になったりもしますので、出来ればやらない方が良いです。排水管のつまりから大きな改修工事につながらないように、まずは入居者への事前通知、または入居してしまっている場合には、声がけやチラシやクリーナーの配布などで入居者自身に注意してもらうようにしましょう。