不動産屋が教える本当はつらい大家さんの悲しい現状の実話です。不動産投資の波に載せられてしまった大家さんたちの悲しい現状を綴っていきます。

本当はつらい不動産投資

建物、設備の点検の話

マンションの受水槽のポンプが壊れると面倒

更新日:

Furuiponpu

 

 

以前、管理していたマンションで朝7時くらいに呼び出しがありました。マンションの住民からの連絡で、電話に出ると、

「水が出ないからとにかく来てくれ!」

と、電話口でかなり興奮しているようなので、急いで準備をして現場のマンションに向かいました。

 

現場に到着すると玄関から数人の人が出てきていました。どうやら電話の主が他の部屋の人に水が出るか確認して回ったようで、みんな同じように「水が出ない」と言っていました。

 

 

 

電話をくれた人に話を聞きに行くと、

 

「朝、起きて水を使おうとしたら急に水が出なくなったんだよ。朝の準備ができないじゃないか! なんとかしてくれ!」

と、ごもっともな意見です。

 

確かに朝起きて、出かける準備をしないといけないときに水が出ないのは顔も洗えないので、つらいですよね。とりあえず、受水槽のポンプへ向かいました。このマンションは、水道管からの水をポンプで各家庭まで運んでいるタイプなので、ポンプが止まってしまうと、マンションの各家庭に水が流れません。なので、水が出ないというのはほぼポンプに異常があったと考えられます。

 

ポンプについては正直に言って専門家ではないので、詳しくないのですが、なんとかしないとこの断水は止まりません。ポンプを見てみると、緊急停止のボタンが光ってます。どうしたら良いか、また、間違ったボタンを押してしまって何かあっても責任が取れないので、とりあえず仲の良い水道屋さんに電話します。

 

朝早く電話して申し訳ないと思っていたら、水道屋さんはすでに8時前でも仕事をしているそうです。さすがに職人さん系の人たちは朝早いですね。水道屋さんに状況を説明して、どうしたら良いかと聞くと、

 

「とりあえず、復旧ボタンというものがあるからそれを押して様子を見たらどうか?」

 

と、教えてくれました。言われた通りに復旧ボタンを押したら、さっそくポンプが動き始めました。

 

「え? これだけ?」

と、思いつつもポンプが動けば問題は解決するので安心です。さっそく、マンションの部屋へ行き電話をくれた人へ様子を聞きに行くとどうやら水が出るようになったようです。

その日は、無事に直ったということで部長と大家さんに軽く報告して作業は終了しました。

 

しかし、一週間くらいしてまた同じ人から、今度は怒りの電話がかかってきました。

 

「先日、ポンプは直ったって言ってたけど、また朝になったら水が出ないじゃないか! 早くなんとかしろ!」

 

と、今度は前回にも増して怒っています。現地のマンションに到着すると、電話をくれた人が他の部屋へ行って状況を聞いたりしていました。おかげで、いろんな人が部屋から出てきて文句を言われました。なんでこういう人は話を大きくしたがるのでしょうか、、、

 

再度、ポンプのところへ行って復旧ボタンを押すと見事に復旧しました。とりあえず、その場で出来る対処方法はそれしかないので、直ったことをマンションの住民に報告しますが、

 

「この前も直ったって言ってたけど、また壊れたじゃないか。こんなにたびたび断水するようじゃ困るからなんとかしてくれ!」

 

と、またまた怒られます。でも、確かに朝起きて何度も水が止まっていたらそりゃ怒りますよね。一応、自分がやったポンプの復旧方法を教えて、一度ポンプを専門の業者に見せて今後の対応を考えるという形の話でなんとか折り合いがつきました。

 

さっそく、ポンプの専門業者に連絡してポンプを見てもらいましたが、

「これはさすがに古すぎるからもう替えた方が良いですよ。修理も出来ると思いますが、一部だけ直しても他の部分がいつ故障するかわからないですし、そのうち部品もなくなってきます。新しい水道ポンプに替えることをオススメします。」

 

と、言うので、とりあえず、修理の見積もりと新しいものに買い替える見積もりを出してもらうことにしました。更に、一つの業者だけだと言っていることが本当かどうかわからないので、別の業者にも見てもらいましたが、結局結論は同じようなもので、古すぎるので新しいポンプを買った方が良いとのことでした。

 

とりあえず、2社に見積もりを出して比べることにしました。そして、出てきた見積もりは、どちらの業者もほとんど同じ見積もりで、修理の場合で80万円くらい、交換で100万円くらいでした。20万円しか違いがないなら明らかにポンプを新品に交換した方が良いです。その方が個人的にも、マンションの住民の人たちも安心しますし。

 

しかし、ここで難題が立ちはだかりました。大家さんの財政状況です。この大家さんは元々の地主とかではなく、中古物件を購入した「サラリーマン大家さん」でした。しかも、管理を委託される前からずっと入居率が悪く、建物が古いので、改装を提案してもお金がなくて出来ないような状況です。こんな状況で水道のポンプを100万円出して買い替えるということに了承してもらえるのかどうかが心配でした。

 

大家さんに状況を報告すると、水道ポンプをすぐにでも交換しないといけないということは理解できて、やらなきゃいけないことだとわかったけど、やはりお金の工面が難しいとのことでした。一度に100万円を支払うのは銀行への返済もあるので、キャッシュフロー的に厳しいそうです。毎月20万円ずつの分割返済が出来るかどうか聞いてほしいと大家さんに言われました。

 

早速、ポンプの業者へ話を聞くと、分割返済でも良いということでした。大家さんにも報告し、工事の許可をもらったので、すぐにポンプを発注し工事に取りかかりました。急いで工事をしたのですが、結局1週間くらいかかってしまいました。その間、また水道が止まったようですが、いつも電話してくるマンションの人は自分でポンプの復旧ボタンを押して直したそうです。

 

 

・水道ポンプが壊れるとお金がかかる

古いマンションやアパートで水道ポンプが壊れると結構な金額が必要になります。しかも、水道はライフラインなので後に回すことは出来ません。古くなってきたら、事前に見積もりを取って交換費用を準備しておくことが大切だと思いました。

しかし、古いマンションやアパートや基本的に入居率も悪いことが多いため、ポンプの交換費用を捻出するのは大変だと思います。古くなってきたら、ポンプが壊れる前にマンションやアパートごと売ってしまうのも一つの手段だと思います。

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