最近はワンルームアパートの新築物件で電気温水器のところってあまり見かけないですが、古い物件の中にたまに見かけます。
管理を任されていたアパートのひとつが電気温水器のアパートでした。
電気温水器以外は、このアパートは特にこれといって特徴がないアパートでしたが、この電気温水器が古くなってきて、よく故障するようになりました。
築20年以上経っているアパートで、特に細かくメンテナンスもしてきませんでした。余裕があるときに電気温水器を新しくするなどの措置を講じておけばよかったのですが、最近ではそのアパートは空室が目立つようになって、新しく電気給湯器を入れ替える余裕もありません。
メンテナンスもしていないので、突然壊れることが多いです。
▼電気温水器は壊れると面倒
電気給湯器とガス給湯器の違いで一番厄介なのが、電気給湯器の方が設備が大きいことです。
ガス給湯器でお湯が出なくなって、給湯器の交換をするのであればすぐに交換してくれますが、電気給湯器の場合は原因の特定から設備の更新など結構手間がかかります。
確かに給湯まで電気にしてしまえば、オール電化にしやすいですが、東日本大震災以降の今後の電気料金のことを考えると、本当にそれで良いのか考えてしまいますね。
さらに、このアパートで良く発生したのが「水漏れ」です。
▼電気温水器から水漏れ
多分、パッキンなどいろんな部分の劣化だと思いますが、「管理物件で水漏れ」と聞くと「またあのアパートか、、、」と何となく分かってしまうくらい頻繁に水漏れが起きました。
水漏れの対応って結構面倒です。
まずは、水が漏れた部屋の対応。
これは、水漏れの発生源を突き止めて水漏れを止めることと、温水器の修理、そして、水漏れが起こった部屋の掃除と物品の保証。
電気温水器は大家さんが設置した設備なので、もし、電気温水器が原因で水漏れを起こし、さらにその水によってパソコンなど電子機器が壊れたり、服がダメになったりした場合は保証しなければいけません。
入居者が「借家人賠償特約付き保険」などに加入していて、その契約の中に家財を保証してくれる特約があれば、そこから支払うように手配したり、大家さんの保険で対応できれば、そちらで対応してもよいのですが、もし、無ければ大家さんが保証するしかありません。
多分、水漏れが起こった部屋の被害はそんなにひどくないと思います。
それよりもひどいのは、水漏れが起こった部屋の下の階です。
▼水漏れ被害の対応は結構大変
水漏れが起こった部屋というのは、水がすぐに床に流れて行くので、そこまでひどいことにはなりません。
しかし、もっと大変なのがその下の階です。
水が天井から染みてくるので部屋のどこに落ちるか分からないので、部屋中水浸しになることもありますし、その所為で電子機器や家具、服などがだめになってしまうことがあります。
もちろん、その被害に対する保証を大家さんは考えないといけないのですが、もっと面倒なのはその人たちの「当分の生活」についてです。
水漏れの水ってそんなに簡単に乾きません。
特に鉄筋コンクリートで水漏れが起きるとコンクリートに水がたまるので、ひどい時は2~3日天井から水が垂れて来るときもあります。
その際にがまんしてくれる住民だったら良いですが、がまんしてくれない人の場合は菓子折りを持って謝りに行ったり、最悪の場合は近くのビジネスホテルの手配をしたりするときもあります。
保険のお金もすぐに入って来るわけではないし、写真を撮って送ったりと手続きも面倒です。
今までいろんなアパート、マンションを見て来ましたが、古くなったときに面倒なのは確実に電気給湯器のアパート、マンションでした。
もし、今電気給湯器の物件を検討している人は、もう一度リスクについて考え直し、今後の改修費用も頭にいれて検討した方が良いですよ。
もし、現在古い電気温水器を使っているアパート、マンションを持っている大家さんは余裕のあるうちにメンテナンスをするか、面倒なら売ってしまうということも検討した方が良いかもしれません。
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